積算業務は派遣でもチャレンジできる仕事なの?
建設に関する業務の一つに積算業務があります。積算業務は設計図や仕様書をもとにして工事に必要な資材の量や工事日数などの見積もりを産出する重要な業務です。業務につくには専門知識が必要ですが、中には未経験者のチャレンジを受け入れる企業もあります。今回は積算業務の業務内容や時給・残業代、積算スタッフに必要な能力やスキルを解説します。
積算スタッフとは?業務内容について
積算業務は設計図や仕様書をもとに使用する材料の数量や工期を算出し、工事費の見積もりを出す仕事です。建設業は数千万円以上という大きな取引が多く、当初の見積もりがズレてしまうと会社に大きな損失が出てしまいます。そうならないために積算業務が必要なのです。積算業務の内容は以下のとおりです。
・設計図や仕様書の読み込み
・使用部材の算出
・工法の予測と人件費の算出
・概算予算書、見積書の作成
・仕様変更の提案
1つ目は設計図や仕様書の読み込みです。図面を読み込むには高い専門性が必要です。それだけではありません。図面や仕様書からどのような建物ができ上がるか、どのような作業工程が必要なのかといったことを想像する力が必要です。
最初は図面に書かれている部分しか想定できませんが、経験を積むことにより図面に書かれていないことについても想像できるようになり、より正確な見積もりができるようになります。
2つ目は工法の予測と人件費の算出です。現場の状況や材料のロスなどを考え、実施される工法やそれに必要な人件費などを割り出します。これらのことを踏まえ、概算予算書や見積書を作成します。
もし、工事を行っている最中に不具合が生じたら、クライアントに仕様変更の提案をするための書類も作成します。このように、積算業務は建設業にとって肝といってもよい重要なポイントなのです。
積算スタッフの時給や残業代は?
積算スタッフを派遣で募集する場合、時給の相場は1.300円から2,500円程度です。その人の経験やできる業務、資格などによって給与がかかわります。専門的知識や高度な資格を持っているほど時給が高くなります。
積算には高い能力が必要ですが、近年は積算業務専用のソフトを導入する会社が増えています。そのため、未経験者でも積算業務のスタッフとして採用するケースが見られます。その場合、知識を専門としない積算補助のスタッフとして求人を出すことがあります。
積算補助とは図面と照らし合わせながら専用ソフトにデータを入力する仕事のことです。この仕事であれば高度な専門性は必要ありません。その代わり、時給は相場よりも低くなるので、その点に留意しなければなりません。
残業は月5~10時間程度でほぼ残業なしと考えてよいでしょう。忙しい会社であれば、月20時間程度の残業があるかもしれません。
派遣の積算スタッフに必要な能力・スキル
積算業務につくにはどのようなスキルや資格が必要でしょうか。主な資格・スキルは以下のとおりです。
・建築積算士資格
・積算業務経験
・パソコンの基本動作
・CADの使用経験
建築積算士とは文字通り積算の技能を証明する資格です。高度な専門知識を有する建築積算士は積算業務のプロといってもよいでしょう。
また、積算業務は高度な専門性を有しているため一から教えて人材を育てるのが大変です。すでに積算業務の経験を積んでいる派遣スタッフであれば、企業側からしても育成する手間がないため歓迎されます。
CADとは建築や住宅設計、服飾デザインの分野で設計・製図をサポートしてくれるソフトです。CADを活用できる人材の需要は大きく、職業訓練の1つとしても取り入れられています。
CADの技術は派遣の積算スタッフにとって必須の技能ではありません。しかし、会社によってはCADを使用した簡単な製図の技能が求められますので、使えるに越したことはありません。
派遣で積算業務に携わるときの注意点
会社に派遣され積算業務をする際、気を付けなければならない点がいくつかあります。1点目は経験が重視されるということです。積算業務には高度な専門性が必要です。
単純にデータ入力をするときであれば経験は重視されませんが、ある程度の仕事を任されたいと考えているなら専門的な知識が必須です。CADの技術やパソコンスキルに加え、自分で図面を読み取れるようになれば業務の幅が広がります。
2つ目は分野が細かいことです。積算業務は扱う内容が多く、それぞれの専門分野の知識が深いため、詳細な内容まで理解する必要があります。3つ目は残業が多くなることです。入力のみの積算補助であれば、ほぼ残業はありませんが、より広い範囲の積算業務を担うときは長時間の残業も発生します。
まとめ
今回は建設業の積算業務についてまとめました。積算業務は専門性が高い仕事であり、幅広い知識や経験が要求されます。その一方、データ入力を主とする積算補助は未経験者でも受け入れてくれることがあるため、一から学びたいのであれば積算補助から始めるのがよいでしょう。
そして、積算業務について学びながら自分ができる仕事の範囲を広げることで、派遣であってもより専門的な業務に携わることが可能となるのです。