派遣業界の高時給の仕組みとは?派遣社員に支払われる給与の内訳を解説

公開日:2023/11/15  最終更新日:2023/11/20

?

求人情報を調べる中で、同じ仕事内容なのに、バイトや契約社員よりもなぜ派遣の時給が高くなるのか、みなさんも一度は疑問に思ったことがあるかもしれません。実は、給与の内訳に理由があるのはご存じでしたか?今回の記事では、気になる派遣業界の高時給の仕組みについて解説します。一読したうえで今後のヒントにしてみてください。

派遣社員の平均時給とは?

派遣で働くとひと口にいっても、さまざまな業種が存在します。みなさんはどの分野の割合がいちばん高いと思いますか?

ちなみに、厚生労働省の平成29年派遣労働者実態調査の概況によれば、ベスト3は、上位からいって30.1%の情報通信業、21.6%の運輸業、郵便業、19.3%の金融業、保険業の順になっています。ちなみに、製造業は18.3%で第4位です。

みなさんが希望する分野は入っていたでしょうか。これまたデータの話になりますが、ある大手求人情報サイトの調べでは、2020年3月の時点で、派遣社員の平均時給は、すべての業種を合わせて1,573円。

厚生労働省の派遣労働者実態調査などによると、パートや契約社員よりも高時給設定となっています。もちろん、派遣仕事は、バラエティに富んだジャンルを網羅しており、仕事内容によってそれぞれ時給が変わってくるのは当然です。

あらゆる業種でほかのパートや派遣社員よりも時給が高いわけではありません。その点は間違いないようにしましょう。では、実際に高時給が期待できる業種にはどんなものがあるか、気になるところかもしれません。

システムエンジニアなどのIT系や専門知識が問われる通訳、翻訳業、WEBデザイナーなどのクリエイティブ系、企画やマーケティングを担当する業種などが上位にランクインしています。どれも時代に強く求められている業界といえるでしょう。

派遣社員の平均時給をひとつの目安にして、いろいろと比較検討してみてください。

派遣社員に支払われる給与の仕組み

ここまで読めば、派遣社員に支払われる給与の仕組みはどうなっているのか、さらに謎が深まっていることでしょう。本題に触れる前に、派遣そのものの仕組みについて、改めて確認しておきます。

人材派遣会社、派遣先の企業、派遣社員、この3つの関係性から成り立つのが派遣システムです。みなさんの立場からいうと、まず、人材派遣会社に登録することから一連の流れは始まります。両者の間で結ばれた雇用関係をもとに、現場のルールに従い、派遣先の企業で働く。

これがひとつの方向性です。同時に、派遣先の企業は、労働者派遣契約により、人材派遣会社に派遣料を支払います。この3者によるネットワークが、派遣システムの基本です。

前述した派遣料には、派遣社員としての給料をはじめ、社会保険料、福利厚生費、派遣会社の経費や利益などが含まれています。ポイントは、派遣先の企業から直接給与が支払われるわけではないことです。

いい方を変えれば、派遣料から必要経費などを差し引いたうえで残った額が給与になるということであり、直接雇用される場合とその点が大きく違います。ここまで説明した3者の関係性が、派遣社員の高時給な理由にもつながるのです。次のトピックで詳しく解説します。

派遣社員の時給が高い理由

まったく同じレベル、内容の仕事であっても、なぜ派遣社員の時給のほうが高くなるのか、いよいよ本論に入ります。大きく分けると、理由は3つです。ひとつは、採用のコストがあまりかからないことにあります。

働き手を確保しようと思えば、求人広告を打つなど、企業側もそれなりの経費が必要です。派遣会社を利用することで、そのコストや面接などの手間もカットできます。つまり、派遣先の企業にとっても十分なメリットがあり、その分、派遣社員の給与を高くしても大丈夫なわけです。

次に、正社員と違って、時間分で給与を受け取る派遣社員には、基本的にボーナスや昇給などのオプションがありません。勤め先によっては交通費の支給もないのが現状です。見方を変えれば、ボーナスや交通費まで上乗せした給与、と認識するほうが妥当でしょう。

最後の3つ目は、正社員と違う雇用形態が理由です。派遣社員は雇用期間が限られているため、継続の意思があっても、契約満了につき終了するか、引き続き残るかは、雇用する企業側に任せなければなりません。

雇用状態としては不安定なので、そのマイナス面を補填するかたちで給与が多めに設定されている、という一面もあります。

まとめ

今回の記事では、派遣業界がなぜ高時給なのか、基本的なことを解説しました。仕組みについて少しは理解できたでしょうか?簡単にまとめると、全業種含む派遣社員の平均時給は1,500円台がだいたいの基準で、時給が高い傾向にあるのは、雇用する企業側の広告費カットの影響や給与自体にボーナス的な要素が入っているため、と考えられます、ひととおり仕組みがわかれば、納得したうえで派遣仕事を選べるようになるでしょう。本稿で説明した内容が、今後のみなさんの人生にとって、ささやかな手助けになればうれしい限りです。

おすすめ関連記事

サイト内検索

【NEW】新着情報

建設業界における派遣労働者は、特有の課題と機会に直面しています。キャリアアップを目指すには、効果的なスキルと資格の向上、派遣から正社員への転換など、様々な戦略が必要です。この記事では、これら
続きを読む
建築分野で急速に普及しているBIM技術。その中で注目を集めるのが、BIMオペレーターという職業です。この記事では、BIMオペレーターの将来性や年収、必要な資格に焦点を当て、その魅力やキャリア
続きを読む
建設業界で働く際、派遣社員としての給与について気になる方も多いことでしょう。この記事では、建設業派遣の平均時給やボーナスの有無に焦点を当て、建設業派遣の給与事情や同一労働同一賃金の制度などを
続きを読む
人材派遣関連コラム