建築業界では派遣社員も部署異動することがある?
派遣社員でも部署異動することはあるのでしょうか。与えられた仕事を黙々とこなし、契約期間が終わったらまた別の会社に派遣されるというイメージがあります。基本的にはそのとおりなのですが、実はある条件を満たせば派遣先の会社で部署異動できます。今回は派遣社員の部署異動について説明するので、ぜひ参考にしてください。
労働者派遣法では部署異動は原則NG
正社員として働いている場合、本人の希望や会社の意向によって部署異動が行われるケースがあります。これは派遣社員にも当てはまるのでしょうか。原則、派遣された企業側の意向で派遣社員の部署異動を行うことは禁止されています。労働条件が変わることによって給与も変わることが多く、派遣する際に結んだ契約内容に反してしまう可能性があるからです。
派遣社員は業務内容や働く時間、場所など、さまざまな内容をきちんと定めているため、契約違反になってしまいます。派遣先企業の意向で派遣社員の条件や立場が悪くならないよう守っているのです。
部署異動するには2つの条件を満たす必要がある
派遣社員が部署異動するには、2つの条件を満たす必要があります。まず1つ目は派遣社員と企業の両者が合意のもとで契約を変更し、部署異動するケースです。正社員は会社と直接契約を結んでいるため、会社都合による部署異動や転勤も場合によっては断れません。
それに対して、派遣社員はあくまで自分が所属する派遣企業の社員です。派遣先の企業の意向で部署異動はできません。ただ、企業が提示してきた条件に納得し、派遣社員も自分で異動を希望する場合は部署異動または転勤が可能になります。
契約終了時に異動することもある
派遣社員には契約期間が定められています。短ければ数か月、長くても3年までと決まっており、期間がくればそのまま契約が終了し、また新たな派遣先を探すようです。この時点で、企業からの意向で契約をまた結びたいという話になるケースもあります。
その際に、同じ派遣先企業の別部署で契約を結ぶという形で部署異動が叶う可能性があります。新しく契約を結び直すことで、結果的に部署異動につながるということです。こちらも、どちらか一方の意見で話を進めることができないため、双方の合意のうえで話を進めてください。
乗用型派遣という特別なケース
派遣社員には登録型派遣と常用型派遣という2種類の形態があります。一般的な派遣社員は派遣会社に登録し、さまざまな企業に出向する登録型派遣です。
一方で、乗用型派遣とは派遣先の企業と無期雇用で契約を結び、仕事をするという働き方です。正社員とほぼ同じような扱いを受けるため、常用型派遣には部署異動の制限がありません。
部署異動をするとどんなことが変わるのか
部署異動する際には所属する部署の上司へ相談し、会社として異動を認めるかどうかなどの会議を経て異動が決まります。その際には、契約内容が変わるためそれにともなってさまざまなことが変化します。
まず、当然ですが仕事内容が変わり、1から仕事を覚え直さなくてはいけません。自分のスキルを活かして派遣社員として働いていた場合、内容が変わると自分に適性がない仕事でもこなす必要があります。どのような仕事をするのか、直属の上司は誰になるのかということをきちんと把握したうえで部署異動しましょう。
一緒に働く人も異なるため、また1から人間関係を築きチームワークを形成していくことも考えられます。コミュニケーションスキルをしっかり発揮して、自分から新しい部署になじんでいけるようにすることが重要です。
労働条件も一気に変わることがある
派遣社員の部署が変わる場合、給与(時給)が新しく決められることがあります。もともとは、持っていたスキルを活かせる仕事をするという契約であるため、給与が高く設定されているケースも少なくありません。
部署異動によってスキルを活かせるかどうか、また新しい部署での仕事内容などを加味して新しい給与が提示されるケースがあります。それによって働く時間も変わり、今までは9時から17時までの勤務だったのが10時から18時になったり、休憩時間が変更になったりと拘束時間が変わります。
自分のライフスタイルに合わせられるか、しっかりと吟味したうえで異動しましょう。せっかく派遣として働いているメリットを潰すことにならないか、自分にとって異動がプラスに働くかなど、安易に決めずにさまざまなことを考慮したうえで異動を検討してください。
派遣社員の部署異動について紹介しました。基本的には派遣社員に部署異動はありません。ただ、自分が異動を希望し会社が受け入れてくれたり、契約終了のタイミングで再契約という形で部署異動が叶ったりするケースは充分考えられます。部署異動する際には新しく契約を結び、新しい仕事をすることになるため、そのことをよく吟味したうえで自分のライフスタイルに合った働き方を選びましょう。