派遣社員でも産休や育休は取れる?取得の条件・手続きの進め方は?

公開日:2022/02/15  

最近では、ワークライフバランスを整えるために派遣社員になる方が増加しています。また、社会人としてのキャリアと子育てを両立したいと考えている方にとって、産休や育休制度は重要なポイントです。そこで本記事では、派遣社員でも産休や育休は取れるのかについて解説します。また、産休・育休の期間や復帰までの流れについても紹介します。

派遣社員も産休や育休を取得できる!

近年では専業主婦世帯よりも共働き世帯の数が多くなっています。しかし、子どもが生まれる前まではフルタイムで働いていた夫婦が、出産を機にどちらかが契約社員になるというケースが増加しています。なぜなら、夫婦ともにフルタイムで働いていると、家事や育児に充分な時間をかけることができない家庭が多いからです。

そのため、出産のタイミングで派遣という働き方を選択する方が多いのです。しかし、派遣を検討する際、産休や育休制度を利用できるのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。結論として、派遣社員でも産休や育休制度を利用できます

ただし、派遣社員全員が必ず利用できるというわけではなく、一定の条件があるため注意が必要です。まず、産休は大前提として女性だけが利用できる制度です。そして、産休に関しては取得に詳細な規定がなく、申請すればだれでも取得できます

一方、男性・女性ともに取得できる育休は、一定の条件を満たしている場合のみ利用できます。派遣社員の場合、雇用主である派遣会社に1年以上雇用されていることが条件となります。つまり、1年以内に派遣先企業が変更になっていたとしても、雇用主である派遣会社が変わっていなければ育休を取得できるのです。

また、労働基準法において、女性が産休を取得している期間と、その前後30日間は解雇できないと定められています。そのため、産休を取得することで職場に復帰できなくなるという不安を抱える必要はありません。

産休・育休の期間と手当について

産休と育休は一定の条件を満たすことで取得できますが、取得できる期間と手当が定められています。まず、育休の期間については産前休業期間と産後休業期間に分けて解説します。

産前休業期間は本人の希望で取得を開始する日を決定でき、産前6週間から取得することが可能です。一方、産後休業期間は、本人の意思に関わらず必ず取得する必要があり、産後8週間取得できます。

そして、産休を取得することでもらえる手当には、出産手当金と出産育児一時金の2種類があります。出産手当金の支給額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均÷30日×2/3という計算に従って算出可能です。また、出産育児一時金は子ども1人の出産につき42万円が支払われます。

そして、育休の期間は子どもが1歳になる前日の原則1年間取得できます。しかし、母親だけでなく、父親も育休を取得する場合は、子どもが12か月になるまで取得期間を延長することが可能です。そのため、夫婦で育休を取得することで、職場復帰に向けての準備が忙しい期間に夫婦で子育てができるのです。

また、育休中は、ハローワークか認定されると育児休業給付金という手当をもらうことができます。育児休業給付金でもらえる金額は、育児休業取得日数に対して、給与の50%が支給されます。ただし、育児休業を開始してから180日目までは給与の67%が支給されます。

取得から復帰までの流れ

産休や育休を取得する可能性がある場合、申請方法や復帰までの流れを理解してくことが大切です。まず、派遣社員が育休の取得を行う場合は派遣会社に連絡を行います。その際に妊娠の報告や予定日、育休や産休を取得する意思があることを伝えます。また、派遣会社にはできるだけ早いタイミングで連絡しておくことをおすすめします

その後、必要な書類の提出を行い、産休期間に入ります。産後休業期間を過ぎると職場に復帰することが可能ですが、産休後に育休を取得する場合は別途手続きが必要です。

まず、育休の取得する意思がある場合は、育休開始の1か月前までに職場に申し出を行います。また、産休と同時に育休の申請を済ませておくこともできるため、あらかじめ育休をとる意思がある場合は同時に手続きしておくとスムーズです。そして、申請完了後、育休が開始されます。そして、育休の取得完了後に職場に復帰する流れとなっています。

 

派遣社員はライフスタイルに合わせた生活ができる雇用形態です。妊娠した際、派遣社員であっても産休や育休を取得して職場復帰することが可能です。しかし、産休や育休は誰でも取得できるというわけではなく、一定の条件を満たした上で取得できます。

また、産休や育休の取得中には休暇だけでなく手当をもらうことができます。そのため、妊娠期間中に慌てないよう事前に産休・育休の制度を確認し、スムーズに取得できるようにしておくことが大切です。

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