派遣社員でも社会保険に加入できる?加入できる条件とは
「派遣社員として働きたいけど、派遣でも入れる社会保険ってあるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。社会保険は万一の時に自分を助けてくれる大切な制度です。この記事では、社会保険の基礎知識から、派遣社員が社会保険に加入する方法についてご紹介していきます。
社会保険とは
求人情報を見ている際に、待遇・福利厚生欄で「社会保険完備」という文字を一度は目にしたことがあるという方も多いかと思われます。そもそも社会保険とはどういったものなのでしょうか。
社会保険とは、「健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険」の総称であり、主に健康保険・厚生年金保険のことを「社会保険」、雇用保険・労災保険のことを「労働保険」と呼称しています。
「仕事中に事ゆえに遭った、病気になった」「失業してしまった」などといった暮らしの中で起こり得るリスクに備え、加入者が保険料を出し合い、その中から必要な人にお金が支給される仕組みとなっています。
■ 健康保険とは
健康保険とは、簡単にいうと加入者が安全かつ平等に医療サービスを受けられる制度のことです。病気やケガをして病院にかかる際に、保険証を提示することによって医療費を3割負担に抑え、医療費が高額な場合には一定の上限額の負担で受けられるなど、日常生活に密着した一番身近な社会保険といえるでしょう。勤務先の健康保険に加入する場合、保険料は加入者と勤務先が半分ずつ負担することになります。
■ 厚生年金保険とは
厚生年金保険とは、働いて収入を得るのが難しくなった際に支給される年金のことです。原則として65歳から支給が開始される「老齢年金」、病気やけがによって障害を抱えてしまった時の生活を支える「障害年金」、本人が亡くなった際に扶養されていた遺族に支給される「遺族年金」など、老後の生活やもしもの時を支えてくれます。保険料は加入者と勤務先が半分ずつ支払い、給与額に応じて保険料が異なっていきます。
■ 介護保険とは
介護保険は、要介護認定を受けることによって、介護サービスを1割負担で受けることが可能な、介護を必要とする人を支える社会保険です。保険料は加入者と勤務先が半分ずつ支払い、40~64歳までの方は、介護保険料と健康保険料と一体で徴収されます。
■ 雇用保険とは
雇用保険とは、会社の倒産や解雇などで失業した際や、退職後に次のキャリアが決まるまでの一時的な期間の生活を支える社会保険です。加入者と勤務先が保険料を負担しますが、健康保険・厚生年金保険・介護保険とは異なり、負担割合は加入者の方が少なく設定されています。
■ 労災保険とは
労災保険とは、仕事や通勤が原因の事故・怪我・病気の際に、労働者やその家族の生活を支える社会保険です。保険料は他の社会保険とは異なり、勤務先が全額負担します。
派遣社員も社会保険に加入できるのか
社会保険に加入できるかどうかは、正社員・派遣社員・契約社員・アルバイトなどの雇用形態が基準ではないため、必要条件を満たしていれば、派遣社員でも加入することが可能です。先ほどご紹介した5つの保険の種類によって、それぞれ加入条件が異なります。加入条件が簡単なものから一つ一つ確認していきましょう。
■ 労災保険の加入条件
原則として、雇用形態に関わらずすべての労働者が加入対象となります。
■ 雇用保険の加入条件
31日以上継続して働く見込みがある労働者であり、契約で定めた1週間の労働時間が20時間以上である必要があります。
■ 健康保険・厚生年金保険・介護保険の加入条件
健康保険・厚生年金保険・介護保険の加入条件については、以下の通りです。
・契約で定めた1週間の所定労働時間が20時間以上
・雇用期間が継続して1年以上見込まれる
・月の給与額が8万8,000円以上であること
・学生ではない
・従業員が501人以上の会社(500人以下の会社であっても、社会保険加入について労使で合意した会社に勤めている場合であればOK)
なお、介護保険については40歳以上で健康保険に加入している場合であれば加入対象となります。
派遣社員として働く場合気をつけたいこと
先ほどご紹介した通り、社会保険は安心して働き続けるために必要な仕組みです。自身の収入のみで生計を立てている場合や、フルタイムで働きたいという場合には、応募の際に社会保険が完備されているかどうか必ず確認するようにしましょう。
派遣会社に確認してみよう
派遣社員として働く場合、派遣会社に雇用されてから各派遣先で働くこととなるため、勤務先ではなく派遣会社に社会保険が完備されているかどうかを確認する必要があります。なお、派遣社員が社会保険に加入する場合には、派遣会社の方で加入の手続きを進めてくれます。
ただし、復職する場合と、休職期間なく別の派遣会社に移る場合とでは、退職時に受け取るものや新しい派遣会社に提出するものが異なるため、会社の指示に従うようにしましょう。
社会保険は安心して暮らしていくために大切な仕組みとなっています。5つの保険がそれぞれどんな時に役立つかを抑えておくことで、万一の際の支えとなってくれるでしょう。今回の記事を参考に自分が社会保険に加入できるのか改めて確認してみましょう。